9784091343871

「私たちの関係がほんの少し歪んでいるのは知っている」
麻子は、彼氏の律にいつも振り回されています。律はサディスト。
怖がりの麻子にわざとホラー映画を見せたり、押し入れに閉じ込めたりして泣かせます。
でも、それが彼の愛情のはずで——…?

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倒錯した世界観

律は、モデルとして活躍するくらいかっこいい少年です。
でも、性格はかなり屈折していて、彼女である麻子の嫌がることばかりをしてきます。

ホラー映画を見せて、麻子が泣き叫ぶ様子を心底楽しそうに眺めたり。
「コンビニに宇宙人が襲来した!」と騒いで麻子を押し入れに閉じ込めたり。

そのたびに、麻子はしゃくりあげながら「やめて欲しい」とお願いします。
当然のように律には聞き入れてもらえず、むしろその顔が彼を興奮させるようで。

押し入れに閉じ込めたあとは、泣いて懇願する麻子に歪んだ笑みを浮かべて言うのです。

「勃っちゃった、しよ?」

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しかも、押し入れじゃなきゃ今日はしない、とも。
もちろん麻子は抵抗しますが、試すような視線に逆らえずに言いなりになってしまいます。

律の行動はかなり歪んでいるのですが、麻子をいたぶるときの彼はとても美しいのです。

美しい少年に平伏すことに、麻子は苦痛を感じながらも反面、快感を覚えています。
押し入れのように狭い彼の世界に閉じ込められながら、幸せを噛みしめているのです。

それも、律の変態じみた行動すら愛情表現のひとつだと信じていたからです。

そんな二人の関係も、ある一言がきっかけで変わってしまうのです。
「かわいくて従順でオレの言うことなんでも聞いちゃうおまえのことが大好き。
そーじゃない麻子は、正直あんまりいらないんだよ」
麻子は彼の自慰的恋愛に付き合わされていただけだと知って——…。

サディストの律と、彼の美しさに魅了されてしまっている麻子。
桜田雛先生の美麗な絵が描く、倒錯した世界観に思わず惹きこまれてしまいます。

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いろいろな魅力のつまったオムニバス短編集

この作品は表題作である『少年は私に跪く』のほかに、3つの短編を収録しています。

『男の悪習』
ごく普通の女子高生が、映画監督の歪んだ欲望に堕ちていってしまうお話。

この映画監督の原が『少年は〜』の律のさらに上をいく、倒錯した性癖の持ち主なのです。
彼は、女子高生・志帆がほかの男に犯されているのを想像して興奮してしまいます。

「生を成すために必要な、性交渉の崇高さを綴った芸術作品」を撮りたい彼は、
志帆に付きまとって作品に出演させようとします。

犯罪のにおいがする、かなり際どい作品です。

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『食わず嫌いの恋』
手違いから、好きな人の友達と付き合うことになった女の子のお話。

明日香は中学の時から、勇二センパイに片思い。
センパイの瞳に映るために、彼好みの女の子になる努力をして告白に臨みました。

でも肝心の場面で、センパイの友人である大樹に告白をしてしまうのです。

その大樹というのがコワ面で、さらにボクシング部に所属をしているという少年。
明日香は怖くて、告白は人違いだと言い出せないまま彼女になってしまいます。

勘違いから始まった恋愛ですが、明日香は大樹の意外な一面を知るうちに——…。

縮まっていく二人の距離がほほえましい作品です。

『私は、その真っ白な少年に憧れた』
クラスに馴染めない転校生の少女が、古い図書館で不思議な男の子と出会うお話。

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になは、いつもスケッチブックを持ち歩いている女の子でした。
それが原因でクラスメイトにからかわれたりして、憂鬱な学校生活を送っています。

そんな彼女にとって、古い小さな図書館は現実から逃げることのできる場所でした。

同じく図書館に入り浸っていた男の子・ケイは、彼女と正面から向き合ってくれました。
になの描いた絵を「すごい」と言って泣き、になの名前を褒めてくれる心のきれいな少年。

になは毎日図書館に通って、ケイと話をするのを楽しみにしていました。
でも、ケイは急に図書館に来なくなって——…。

内気な少女と、秘密を抱えた少年との純愛作品です。

この4つのお話は、どれも雰囲気が違っていてオムニバスならではの楽しみ方ができます。
桜田雛先生の魅力が存分に味わえる作品だと思います。

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