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テンカウントのレビュー・感想

宝井理人作『テンカウント』は今までのBL漫画と違っているように感じました。

BL漫画はどちらかと言えば『エロ』を重視していて、ストーリーは軽視される傾向が多いですが、
『テンカウント』はストーリーとキャラの心理描写が巧みで、エロが無くても純粋に楽しめる作品だと思います。

特に主人公の心理描写と、過去の描写の表現は上手く書かれており、読者を『もっと読みたい』と言う気持ちにさせます。

ストーリーとしては潔癖症のサラリーマンである城谷(受け)をカウンセラーである黒瀬(攻め)が治療していくという、それだけ聞けば有り体なものですが、宝井理人先生はストーリーやキャラの心理を『深く掘り下げる』のが得意なのか、いつの間にか感情移入してしまいます。

またストーリーだけではなく、絵が非常に綺麗で心惹かれます。
漫画である以上、絵を見て購入する方もいらっしゃると思いますが、そういった方も満足されるであろう綺麗な絵で描かれています。

私的に『攻め』である黒瀬くんが魅力的です。

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寡黙でクールな長身イケメンな黒瀬くんは、どちらかと言えば『BL漫画の攻め』と言うより『少女漫画に出てくるのイケメン』といった方がピッタリときます。

彼も過去に何らかの出来事があったのであろう事を匂わせているのですが、作中ではまだ明らかになっていません。

彼も城谷同様に『訳アリ』な様ですが、描写が巧みなため『ミステリアス』な印象を抱かせ、それが更に彼を魅力的に仕上げています。
『受け』である城谷ですが、彼が潔癖症である原因については最新刊で明らかになります。

城谷は黒瀬とは違って、心理描写が多く(主人公なので当然かもしれませんが)、感情移入しやすい様になっています。

しかし潔癖症の様に『万人には理解されにくい特性』を持つ彼に、すんなりと感情移入させられる表現の上手さは、凄いと思いました。
ストーリ重視の方は『テンカウント』を買って損はないと思います。

作中で城谷を手に入れる為に、黒瀬が『心理戦』の様なものを仕掛けるシーンあるのですが、こう言った駆け引きがあるBL漫画は珍しいと思います。ジャンルとしてはBLよりも『大人向け少女漫画』に近い気がします。

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テンカウントの欠点とは?

欠点を上げるとすると、ストーリー性を重視するあまり『エロシーン』がかなり少ない事が挙げられます。

『テンカウント』は既に4巻出ていますが、その中でエロシーンは一度きりです。
BL=エロだと思っている方は2人にもどかしく感じるかもしれません。

私はどちらかと言えばストーリー重視なのですが、エロシーンまではいかなくても、もう少し絡みや肌色描写が欲しいと思いました(特に黒瀬くんにもっと脱いで欲しいです 笑)。

ストーリーやキャラの設定を重視する方には『テンカウント』はかなりお勧め出来る作品です。

しかしエロや絡み、肌色描写を重視するのであれば、あまり期待はできないかもしれません。
ですが、城谷も黒瀬くんも、とても魅力的なキャラクターです。

今後は2人の発展を期待できる展開な為、肌色描写も多くなると思います。

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