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スポーツものでは定評がある満田拓也先生作、本格的野球漫画「MAJOR」。
コミックスは全78巻まで刊行されており、過去に何度もアニメ化がされた名作です。
現在は続編として、主人公の息子世代を描いた「MAJOR 2nd」が連載されています。

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MAJORのあらすじ

主人公の茂野吾郎(旧姓・本田)は、幼い頃に母親と死別し、プロ野球選手である父親・本田茂治により男手ひとつで育てられてきました。
ですが、そのたった一人の肉親である父親は、試合中の死球(デッドボール)という不慮の事故で亡くなってしまいます。残された吾郎は、父親の婚約者であり、亡き母にそっくりな桃子に引き取られました。そしてその後、亡父の友人であり、桃子の結婚相手・本田の養子になるという、複雑な生い立ちを過ごしてきます。

そして実父の遺伝か、はたまた元からのセンスが良かったのか、リトルリーグ時代から吾郎の野球能力はズバ抜けて高く、多くの人間が彼のプレーに惹かれてゆくのです。なかでも、少女のように容姿端麗な捕手・佐藤寿也や、幼い頃から吾郎を慕い、その後結婚し妻となる清水薫などはその最たるものでしょう。

こうして肉親には恵まれなかった吾郎ですが、義母や義父、そして多くの素晴らしい友人や理解者、ライバルさえ得る事になるのでした。

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MAJORのネタバレ

野球に関して天賦の才を持つ吾郎でしたが、その道行きは決して順風満帆ではなかったのです。
リトル時代に肩を壊し、中学時代は弱小野球部に、そして高校は野球の名門校に入学するも、数々の困難や妨害工作により野球部のない高校へと編入(転校)。勝利とは程遠く、更には自身の故障ばかりの学生時代を過ごし、終えることとなりました。

ですが、父を死に追いやった投手ギブソンが、いまだ現役メジャーリーガーとして活躍し、自分と対戦する日を待っていると知るや否や、吾郎は折角のドラフト指名を全て断ってしまうのです。
この時、吾郎は18歳。甲子園での活躍は一度もなく、故障や妨害にまみれた球歴しかない持たない彼でしたが、亡き父や野球への熱い思いだけを胸に抱いて、単身アメリカへと渡りメジャーを目指すのでした。

その後も数々の苦難が待ち受けていますが、勝気な性格や情熱を用いて乗り越え、吾郎の野球人生は弛むことなく続きます。
そんな努力の甲斐も有り、憧れのメジャーで活躍をしますが、再び故障やケガに泣き、とうとう解雇通告をされてしまうのです。
その頃には吾郎も身を固め結婚しており、妻や子を養う一家の大黒柱となっていました。ですが野球を諦めきれない吾郎は、家族を連れて日本に戻ると、再起を賭けたトライアウトに挑み見事合格、横浜のチームへと入団するのでした。

つまり「MAJOR」という作品は、野球漫画であると同時に、過酷な幼少期から球団を解雇される壮年期まで、ひとりの男の半生を描いた漫画でもあるのです。

こうして物語りはこの後、台湾から始まる「MAJOR 2nd」へと続くのでした。

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MAJORの感想

少年漫画の主人公にありがちな通り、吾郎は熱血漢でありながら、勉強が全く苦手なタイプです。とはいえ、「エースで四番」と野球に関する“才能”だけには優れており、更にそれに慢心すること無く努力も怠りません。

そして、野球マンガでありながら、最も盛り上がるはずの「勝利」が少ない作品であることも特筆されます。ですが、だからこそ、このマンガには“生身の人間の真実”が存在するのも確かなのです。

「MAJOR」には“魔球”も“必殺技”も登場しません。ジャイロボールやフォークにチェンジアップと、誰もが何処かで聞いた“実在の”球種しか吾郎は投げないのです。また“イップス”と呼ばれる心因性動作支障に陥った時も、劇的な切っ掛けや根性のみではなく、悩みながらも吾郎は努力や工夫で乗り越えようとしたのです。

つまりは、「天賦の才だけで野球は出来ない、何時も勝てるわけではない、魔球なんかあるはずがない」。こうした一見身も蓋もなく思われるこれらこそが、実は作品の根底に流れる骨太の“真実”をも浮き彫りにしてくれるのです。

心因性のイップスを経験し、家族を持ちながら海外での戦力外通告、後に34歳でトライアウト挑戦と、作品中には主人公・吾郎の“真実”がぎっしり凝縮されていたのです。

それゆえ、多くの野球選手がこのマンガを通して、野球とは何かを考え、吾郎の姿に共鳴するのかもしれません。

骨太で熱い野球マンガであると同時に、茂野吾郎の半生を描いた物語でもある「MAJOR」。

そんな吾郎の熱い野球人生を、みなさんもコミックスを通して覗いてみてはいかがでしょうか。

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